sei l'unico che può rendermi felice.

花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Take your time. 2 (完)

Take your time. 2 (完)







「……ん、」


しばらくそのまま髪の毛を撫でながら牧野を見ていたが、それに気が付いたのか薄っすらと目を開けた牧野。
初めはぼんやりとしていたけど、俺の姿を確認すると、また涙を流し始めた。

やっぱり俺か。
また俺が、何かをしたんだ。


「……牧野」

「道明寺、」

「ごめんな、何が悪いのか分からないんだ。牧野を泣かせたいわけじゃないんだが、これ以上どうしたら良いのか分からなくてな」

「ちが、違うの……!」

「じゃあ、なんで俺を見て泣くんだよ。なんで、一人で泣いてるんだ……?」

牧野は体を起こして髪を撫でていた俺の手を取ると、強く握ってくる。
それでも涙を流したまま首を振るばかりで、やはり何も言わない。


「あの時に反省したはずなのに、また分からないんだ。牧野のことなら何でも分かっていたいと思っても、どうしても牧野のことになると……」

「違うの……!これは、あたしの問題で、」

「じゃあ、何で俺の前で、笑わなくなった……?」

「そ、れは、」

「最近はあんまり俺に話しをしなくなっただろ?だからまだ、俺は何か見えてないんだ。あれから一ヶ月も経ったのに、まだ牧野のことを分かってやれてない」

牧野はスン、と鼻を啜ると、握っていた手を離して手の甲で涙を拭った。


「……あのね、違うの。最近ね、道明寺が、急に遠くに感じるようになっちゃったの……」


遠く?
どういうことだ?

「ずっと側にいるだろ?」

「そうかもしれないけど、そうじゃなくて……。今までは、ずっとあたしが道明寺の側でスーツ選んだり、ご飯の支度をして、掃除洗濯をして。仕事も、ずっと隣で一緒にいた」

「でも、今の牧野はお腹も大きくなってきてるし、負担は少ないほうが良いだろ?前と同じことをしていたら、牧野もお腹の子も辛いんじゃないか?」

「分かってるの。道明寺が、いつも一番にあたしとお腹の子のことを考えてくれてるのも、とても大事にしてくれているのも。
でも、あれからまだ一ヶ月しか経ってないのに、今まであたしが道明寺にしていたことが、急に何もなくなっちゃって、それが、さみしくて……、でも、道明寺が大事に大切に考えてくれるのも分かってるから、こんな、さみしいなんて、言えないと思って……、」


牧野。

俺が良かれと思ってしていたことが、牧野にとってそんなさみしさを感じさせてるなんて思わなかった。


「あの、あのね、あたしのわがままなのは分かってるの。別れるなんて言って家出して、お義母さまたちまで巻き込んで大騒ぎしたのに、今はあの頃のほうが、……道明寺が近かったなんて、思っちゃいけないって。
あたしも道明寺を支える何かをしたい。なのに、何もかも先回りして、あなた一人が先を行ってしまうようで、さみしかったの……」


また、俺は分かってなかった。
側にいてくれれば、それだけで他に何もいらないと思ってた。

牧野の負担にならないように、そればかりを考えて。
牧野に何も聞かずに、また俺一人で決めていた。


「ごめんな」

「違うの!道明寺は何も悪いことなんてなくて、あたしが、気持ちが追いつかなくて、それで……っ、」

優しく、優しく牧野を抱きしめる。

やっぱり俺は、バカだ。
牧野の変化に気付けなかった時間を取り戻したくて、それを埋めたくて無意識に焦っていた。

牧野の気持ちも考えずに、一人で。


俺は何度同じことを繰り返すんだ。

牧野。


「やっぱり俺が悪い。牧野を大事に大切にしたいのに、気持ちはどこか焦ってたんだ。
牧野、さみしい思いをさせてごめんな。
でも話してくれて、ありがとう」

「……うん。あのね、道明寺、……大好きだよ」

「俺は牧野を愛してる」

「ふふ、相変わらずね」

「牧野、ゆっくり、ゆっくり行こう」

「そうね、お互い焦ってたのかも」

「11年も一緒にいるのにな」

「ジェットコースターから、そろそろ乗り換えないとね」


まだまだ長い、この先の人生を、牧野と一緒にいられるように。
焦らず、ゆっくり。


「あっ!道明寺、お誕生日おめでとう!」

「ん?日付け変わったか?」


「道明寺、生まれてきてくれてありがとう」



当たり前の毎日を、「いつも」がいつまでも続くように、ゆっくり、ゆっくり、二人いつまでも手を繋いで、同じ道を前を向いて歩いていけるように。






Happy Birthday Tsukasa!
Love does not consist in gazing at each other, but in looking together in the same direction.






「Can we get back together?」の続編でした。
思いついたら吉日、ちょうど司くんのお誕生日だったので。
お誕生日おめでとう〜!


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Take your time. 1

Take your time. 1






昨年のクリスマスの朝にケンカをしたことから始まった別れ話。
牧野が家を出て行ってしまったり、道明寺家と牧野が養子縁組することになったり、色々あった。
結局、納会ではもちろん牧野の養子縁組ではなく、俺と牧野の結婚が報告されたわけだけど。

牧野が妊娠していることを知ったあの日から約一ヶ月。

最近、牧野が素っ気ない。


当たり前の日常がいつもあるなんてことはなくて、「いつも」は誰かの支えで出来ている。
それにようやく気が付いた俺は、牧野の話もちゃんと聞いて、適当に返事もしないことを心掛けた。

この俺が、なるべく自分のことは自分でするようにもなった。
洗濯物もそこら辺に放置しないし、電気も付けっぱなしにしない。
毎日仕事で着るスーツだって、また自分で選ぶようにしてる。


牧野はもう妊娠6ヶ月になっていて、お腹も目立ってきた。
妊婦検診でも異常はないから大丈夫と牧野は言うけど、俺は心配で仕方ない。

だって、愛する妻のお腹に、俺の子どもがいるのだから。
「万が一」は絶対に起きてはいけない。


牧野優先。
牧野第一。
牧野。


仕事も今まではずっと側に居させたけど、今は内勤だけにした。出張も同行させない。
マンションに住んでいた時は牧野に任せっきりだった家事も、道明寺邸で住むようになって大抵のことは使用人がやってくれるから、牧野の負担もかなり減ったはず。
俺も自分で出来ることは自分でしてるし。


なのに、牧野があまり笑わない。
というか、俺にあまり話をしなくなった。俺だけがずっと話している。

なんでだ?
俺はまた何かを間違えたか?
それとも何かを聞き逃した?

牧野にどうしたと聞いても、何でもないと言われるし。
そう言われてしまうと、もうどうしたら良いのか分からなくなってしまう。
だから出来るだけ牧野の負担にならないように、牧野の手を煩わせないことを第一に考えて行動していた。



なのに、また牧野が。
日付けが変わる2時間前。邸に帰ってきたら、牧野がまだ会社から帰ってきていないと言う。

俺より先に帰ったのに?
ちゃんと邸から会社まで車で迎えを寄こして帰らせたはずなのに。
電話をしても出ないし、どこへ行ったのか。
身重なのに、何をしているんだ。

つい、重いため息が出てしまった。


まただ。
また同じことを繰り返している
前より牧野のことを気にかけているはずなのに、牧野がいなくなった途端に色んなことが分からなくなる。

そこへ牧野を会社まで迎えに行かせていた運転手が帰ってきた。
牧野は?と聞くと、今日は邸ではなく引っ越す前に住んでいたマンションへ行きたいと言ったらしい。
運転手は牧野が帰るまで待っているつもりだったが、帰る時はまた呼ぶから邸に戻ってと言われたと。
あそこは今、俺が仕事の資料を置いたりする程度にしか使っていない。

なんでマンションに?
でも、とりあえず前とは違って行き先も分かった。

家出ではない。
それだけでホッとした。

とにかく牧野のところへ行かなくてはと、急いでマンションへ車を走らせる。
鍵を開けて玄関扉を開けると、明かりも付いてなくて真っ暗だった。

あの時を思い出す。
牧野が、いなくなったあの日。

大丈夫だ、牧野はここにいる。
靴があるから。



「牧野」

廊下からリビングへと繋がる扉を開いてみてもそこに牧野はいなくて、それならと寝室へ行ってみる。

そっと寝室の扉を開いてみると、間接照明だけがほんのりと部屋を明るくしていた。
そしてベッドの上で丸まって寝ているのは、

牧野。

起こさないように静かに近付く。
ベッドに腰掛け、牧野の様子を見ても顔色は悪くない。
でも、頬には涙の跡が残っていた。

なんで一人で泣くんだ。
どうして泣くほど辛いことがあっただろうに、俺に言わない。


また、俺は何かを間違えたのだろうか。 


牧野の寝顔を眺めながら、髪の毛を撫でる。

俺の「いつも」には必ず牧野がいる。
高校生の時から、ずっと牧野だけ。

牧野の為なら何だって出来るのに。
牧野の為なら、何もかも。








「Can we get back together?」の続編です。



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