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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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All you need is love. 5

All you need is love. 5






道明寺HD日本支社。

入り口には多くの報道陣の姿があり、本当に道明寺司がこれからここで働くのだと実感する。
一会社の支社長就任にこれほど報道陣が集まることも、普通ではないだろう。

財閥の御曹司という立場に胡座をかくことなく、仕事においては卓越した経営センスを持ち、その実力を遺憾なく発揮しており、若くして日本支社長就任。
そしてその類稀なる美貌に惹かれる女性は多く、日本支社に勤める独身女性は、いつもに増して身だしなみに化粧にと念入りだった。

そんな中、つくしはいつも通りに出社する。
いつもと同じ薄化粧に、ネイルも派手でなくヌードカラーで、綺麗に揃えた爪先。
ブランドではないものの、清潔感のある服装にローヒールの靴。
そして艷やかな黒い髪の毛を後ろに一本縛っている。


真面目の牧野さん。

浮ついた話もないし、飲み会も女子会や部内の企画されたものしか出席しない。
合コンに誘われても行かない。

とにかく仕事に真面目な牧野さん。
今まではそれで良かった。

道明寺と一緒にいられるように、ひたすら真面目に仕事をしてきたのだから。
でももう合コンとか行っても良いかな。
フラレてたし。
酔った勢いとはいえ、知らない男と寝ちゃうし。

毎回断っているのに、いつも合コンや飲み会に誘ってくれる別の部にいる同期の高橋さん。
今度誘われたら行ってみよう。

しばらくは道明寺のことを忘れられそうにないけれど。



きのさん。まきのさん?」
隣の席に座る先輩に声をかけられて、少しばかり意識が仕事から離れていたことに気が付く。

「はい!すみません、なんでしょうか」

慌てて返事をしてみれば、もうすぐ支社長が挨拶まわりに来ると言う。

「牧野さんは新しく就任した支社長と会うのは初めてだよね?支社長が代わっても仕事内容が変わるわけじゃないし、牧野さんはまだ支社長と直接やりとりするような案件はないから、後ろのほうで話を聞いて頭下げるくらいで良いよ」

そう先輩に言われて、ホッとする。
思い出しては泣きそうなのに、挨拶しろって言われても出来なさそう。
いや、仕事だからしろって言われたらするけど、挙動不審にならないように気を付けなくては。




あたしの職場は道明寺HD日本支社の法務部。
弁護士資格を持っていても、新卒でインハウスローヤー(企業内弁護士)になるのはかなり難しい。
普通は法律事務所に何年か勤めて転職するのが無難だけれど、あたしはどうしても道明寺HDに就職したかった。
弁護士資格を取ったものの、もう道明寺HDに勤められるなら法務部でなくても良かった。
それでも運良く法務部に採用されたのは語学力のおかげもあっただろう。

大学在学中に美作さんには中国語と英語をビジネスレベルまで、類にはフランス語とドイツ語、イタリア語も少し教えてもらっていた。
海外企業との契約時は語学力がないと、どうにもならないからだ。
他にも個人面接やグループ面接なんかではコミュニケーション能力や協調性、情報収集能力なんかも見られるらしい。


道明寺のお母さんも特に何も言ってこなかったのは、もう息子とは縁が切れたと思われたのか、単に溝鼠には興味なかっただけか。
何にせよ念願の道明寺HDへの就職が叶ったあたしは、いつかの夢に一歩近付けたと無邪気に喜んでいた。

今になって考えてみれば、他にやらなければいけないことがあっただろ!って自分にツッコミ入れたい。
またしても物思いにふけっていたあたしは、先輩に肘で突かれてハッとする。

「牧野さん、道明寺支社長が近くにいるのに、あの存在感にも気付かず物思いにふけるなんてスゴイね」

嫌味なのか、単純に鈍感さを指摘されただけなのか。


いつの間にか道明寺が挨拶をしに、法務部の入り口に立っていた。
一瞬、目があったような気がした。
気がしたのは、ただの願望だったのかもしれないけれど。






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