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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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You belong with me. 7


You belong with me. 7





「それで西田、どこまで?」

「牧野さんがNYで楓社長の秘書をしていたところまでです。ですが社長、牧野さんは誤解されているようですよ。」


誤解?どういうこと?

「誤解ってなんですか?さっきも西田さんは違うとか何とか言ってましたね。」


「牧野さんは、 楓社長が司様の側に秘書として牧野さんを置いたのは、他の令嬢と並んでる姿を見せつけ、財産も家柄も何もない人は仕事だけしてなさい、という見せしめの為だと思っていらっしゃいます。」

そこまで言わなかったはずだけど、さすが西田さん。汲み取ってた。


「そうね、そのつもりだったわ。」

そうですよね!ほーら違わない!


「こいつも分かってるみたいだぜ。仕事が辛いから類のとこに転職するってよ。」

余計なことを!


「全然分かってない道明寺は黙ってて!」


楓さんがあたしを見る。

あっ!

「ちっ、違います!道明寺って司さんのことでっ、楓さんのことでは!」


「分かっています。あなたは私のことを道明寺と呼び捨てたことがありまして?つくしさんもお黙りなさい。話が進みません。」

楓さんにギロリと睨まれたあたしは小さい虫けらの気分だ。こっわい。




「まず誓約書の件からですが。」西田さんが話す。


「『道明寺 司の記憶喪失と、この誓約書に関して、その全てを一切公言・口外しないこと。そしてこの事実を元にした犯罪・違法行為をしないこと。』これらが主に書かれている誓約書です。

これは司様の記憶喪失の件を知る、松岡優紀様と中島海様に誓約書にサインをいただいております。

万一、破った場合の違約金は到底一般家庭で支払える額ではないでしょうね。なにせ相手はこの道明寺財閥ですから。


西門様、花沢様、美作様はご自身の家のことも道明寺財閥のことも立場は良くご存知でしょうし、何より司様の幼い頃からのご友人です。他言などして司様を貶めるような行為はなさらないでしょう。


ご実家の立場と言えば三条様も大河原様も同じですが、牧野さんが絡んでいますからね。このお二人は特に牧野さんを慕っていたご様子でしたから、事を大きくして騒いでもメリットは何もありませんし、誓約書の件がなくとも、みなさん慎重になるでしょう。」

桜子に滋さん。もう何年も連絡してない。

あんなに迷惑を掛けたのに、あたしが一方的に連絡を断った。

ずっと道明寺とあたしのことを応援してくれていたのに、あの時はその応援が辛いと、言えなかった。

ひどいことを、した。



「ただ、松岡様、中島様については誓約書へのサインはしていただきましたが、あとは行動を年に数回確認することだけです。道明寺の完全監視下に置かれていたのは牧野さん、あなただけなんです。」


なにそれ。どういうこと?

海ちゃんはともかく、まさか優紀まで誓約書へサインを書かされていたのは知らなかった。だけど、どうしてあたしだけ?!


「先日、美作様たちとご一緒した時に教えてくださったんですが、私が就職した頃から行方が分からなくなって焦ったと話してくれました。随分と私のことを探してくれたみたいなんですけど、全く痕跡が掴めないことで何か圧力が掛かっていると思い至ったところで、副社長の秘書として現れた私に大変驚かれたそうです。どうして私だけをそうする必要が?」



「そこからは私が説明します。」

楓さんはあたしと道明寺を見て、小さく息を吐いてから話し始めた


「10年前のあの頃の司さんは、バカみたいにしつこくつくしさんを追いかけていたと聞きましたから。」

「バカみたいにしつこく?!」と道明寺がガンを飛ばすけど、楓さんは無視。楓さんの表現としては乱暴だけど、間違ってないと思う。


「あなたたち2人を司さんが記憶喪失の間に引き離し、どこかの企業の御令嬢を婚約者として司さんの側におくことは簡単です。ですが、もし司さんの記憶が戻った時に事が知れたら、それこそ昔の司さんに戻るか、今度こそ道明寺を捨ててつくしさんのところへと行く可能性は十分ありました。なので、むしろつくしさんを側に置いておいたほうが良いとの結論です。隠したのはご友人方につくしさんを連れ出されたら、それこそ困りますから。」


「それに、もし司さんが記憶を戻しても、自らつくしさんを手放すようなら監視下から外す予定でした。」



嘘でしょう?あんなに道明寺とあたしの邪魔をしていたのに?なぜ?

疑問はいくらでも湧いて出てくる。


きっとまた道明寺と離されると思ってた。

その時の為に、最終手段としていろいろと準備をしていたけれど、まさか、こんな理由で監視されていたとは思いもしなかった。

でももう、道明寺はあたしを手放そうとしている。それさえも無駄になった。



10年前と同じ気持ちじゃなくても、道明寺があたしさえ拒否しなければ、それだけで良かったのに。




「楓さん、今まで本当に感謝してるんです。監視下にあったとはいえ、今までの牧野家では出来なかったことを沢山させていただきました。

司さんは、私に花沢物産への転職を薦めています。秘書としての仕事に不満があるようですし、私は不要とのことですから、司さんの秘書はやめさせていただきます。」


頑張ったんだけどなぁ。

家柄も財産もない、美人でもなければ豊満な体つきでもない。仕事でさえ、転職を薦められた。



分かったよ、道明寺。

いつまでも10年前にしがみついていたのは、あたしだけ。



フゥーっと大きく息をする。

「楓社長、仕事については西田さんと相談して秘書課の方に引継ぎます。この様な急な状況ですので、一週間は必要だと思います。」

一気に話す。まだ冷静に話せるうちに。

「それでは今日は帰らせていただきます。では。」


道明寺は黙ったまま。やっぱりあたしのことをチラリとも見ない。

それが余計に、いらないとダメ出しの様に言われているみたいで。

早くこの場を去りたくて、誰の顔も見たくなくて。

みんなに背を向けたところで、楓さんが「お待ちなさい。」と声をかけてきた。

これ以上何を話すことがあるの?



「秘書を辞めるなど私が許可しません。」



なんで。どうして。

道明寺にいらないって言われたんだから、側にはいられない。

道明寺が、あたしを望んでいないから。

もう、これ以上あたしを拒む道明寺の側にいるのは辛すぎる。



「これは、私の指示ではありません。」



意味が分からない。楓さん以外に誰が

まさか。



「もしかして、おじさまですか?」


「おじさま?だれのことだ?」

道明寺が不思議に思うのは無理もない。それこそ本当にまさかだろう。




「あなたの父親ですよ。」










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