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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Re: notitle 06

Re: notitle 06







 「司、おかえり〜!」

「……お前ら、どうやって部屋に入ったんだ」

「ん?聞いてねぇ?西田さんから合鍵預かってるけど」


また総二郎とあきら。
暇ではないだろうに、こいつらも何を考えてるのか。
あきらはともかく、総二郎は茶事が続く年末年始はいつも忙しくしていたはず。

西田も西田だ。
何でこいつらに合鍵なんて渡したんだ。合鍵と言ってもカードキーだし、指紋認証もしないと入れないはずなのに。
わざわざカードを作って、指紋を登録して入ってきたのか?

これみよがしに大きくため息をついてみせれば、あきらが慌てたように話しかけてくる。

「あのな?俺らだって忙しいんだ。でも椿姉ちゃんからの圧が……、あれから一週間だろ?何か進展あったかって聞いてくるんだよ」

「そうそう。椿姉ちゃんも西田さんも、お前のことを心配してるんだよ」

西田は面白がってるだけのような気もするが、姉ちゃんはずっと俺に対して後悔を抱えさせてしまっているのは分かってる。
あの時もっと早く帰って来ていればと、陰で泣いているところも見たことがある。

姉ちゃんのせいじゃないのに、姉ちゃんは何も悪くないのに、俺が、未だに女がダメだから余計な心配を掛けさせている。

親も家も会社もどうでもいい。
でも、姉ちゃんを悲しませたいわけではないし、いつまでも後悔していて欲しくない。

その為には俺が、変わらないといけないのは、分かってる。
ただでさえ仕事柄、人間なんて信用出来る奴は少ない。
油断すれば足元を掬われ、財を貪り尽くそうとする奴ばかりの世界だ。
時間だって無駄には出来ない。毎日何が有益なのかを取捨選択していかないといけない。
そんな中で女を必要としたことがないから、なおさら後回しになってしまっていた。


「それで?今日は何しに来た」

「何って、そのあとどうなったのか聞きに来たんだよ。誰かとメッセージの一つや二つ、やり取りしたんだろ?」

「お前ら忘れたのか?俺は何もしないって言っただろ」

「まさか司、本当に何もしてないのか?!おい、スマホ出せ」

コートのポケットからプライベート用のスマホを出して、あきらに渡す。
コートとマフラーを脱いでソファに投げ置き、キッチンに向かいミネラルウォーターで喉を潤したあと、そのままバスルームへと行こうとした。

「司!お前、電源切れてんじゃねぇか」

「ピロピロ通知音がうるせぇから切った。鳴らないように設定しとけ」

そう言い捨ててシャワーを浴びて出たら、また総二郎とあきらがスマホを覗き込んで、ああだこうだ言っていた。


「この子は?可愛いじゃん」

「いや、この年齢で契約社員だからなぁ」

「この子良いんじゃね?大手企業勤めで、年齢が25?都内住みで可愛い」

「お前ら本当に暇なんだな」

「だから暇じゃねぇって言ってんだろ!」

総二郎がキレ気味に言うが、それなら放っておけばいいものを、わざわざ来るのだから楽しんでる以外ないだろう。
あきらのところもアジア圏をメインに商売している総合商社だ。日本のように年末年始休暇がある国はほとんどないはずだから、仕事はあるはず。

「俺は昨日で仕事納めだったから、日本での通常業務がない分、いくらかマシだな」

「おい司。適当に何人か選んどいたから」

「俺は行かねぇからな。そんな暇じゃねぇ」

「まずはメッセージのやりとりくらいはしろよ」

「嫌だ。やりたいお前らがやれ」

「だぁから!俺らもそんな暇じゃねぇの!俺だって今日は夜咄の茶事のあとにわざわざ来てるんだぞ!大晦日から元日の茶事の準備もあるし、それをお前は!」

んなもん知るか。俺が頼んだことじゃない。
キレ始めた総二郎をあきらが宥めつつも、早速メッセージが来たらしく、ラグの上に投げ出されていたスマホを手に取る。


「……これ、どう思う?」

しばらくスマホの画面を見ていたあきらは総二郎にスマホを渡したが、総二郎は「この子はなしだな」と、また画面をタップして何やら難しい顔をした。

「……なんだ?どうしてダメだったんだ?」

「いや、いきなり質問ばっかり大量に書き込まれてたんだよ。詳しい年収、勤めてる会社名、何歳までに結婚したいか、子どもは何人欲しいのか、借家か持ち家かとかとかとか。いきなりこんな聞いてくることあるか?」

「婚活アプリなんだろ?」

そう言いながら思わず鼻で笑ってしまう。
結婚願望があるからやっているのだろうに。
条件ありきの相手探しだ。
まぁいきなりそこまで聞いてくるのも不躾なのは間違いないし、会話もせずに一方的に質問して答えを待つなど、傲慢にもほどがあるとは思う。


「いきなりそんな上手くいくわけないだろ。バカだな、お前らは」

「あのなぁ!」

「まぁまぁ総二郎、司が乗り気じゃないのは最初から分かってたことだろ。それを承知で姉ちゃんだって頼んできてるんだから、初めは俺らでやるしかない」

チッと舌打ちをした総二郎は、やってられないとソファにどかっと座る。

「類はどうしたんだ?」

類も昨日で日本支社は仕事納めだったはずだ。
今は日本をメインに仕事をしているし、こいつらよりも暇だろうに、また家に籠って寝ているのだろうか。

「類は部下と食事に行くってよ」

「部下と?類が?」

「あいつも今は管理職だしな、それなりに付き合いがあるんだろ」

それでも、類がわざわざ休みだろう日に食事?
しかも、部下と?

「女か?」

「さぁな〜、そこまで聞かねぇよ」


類も昔は幼馴染みの静と色々あったようだが、今はフリーのはず。
そもそもに類は男でも女でも、本当に気に入った人間としか付き合わないような奴だった。
社会人になってからは、そんなところも少しはマシになったようだし、俺ほど女嫌いと言うわけでもないだろうから、類にもそういう女がいても不思議ではない。

総二郎とあきらは顔を突き合わせてスマホの画面を見ながら、また誰かにイイねだか何だかをしてメッセージを送っているのだろう。

早めに帰ることができた今日は寝るにはまだ早い時間で、酒でも飲むかとキッチンに行こうとしたらいきなりリビングの扉が開いてビクッとしてしまう。
部屋に入ってきたのは、珍しく頬を緩ませた類だった。

……類も合鍵持ってんのか?
こんなにいくつも合鍵なんて作ってんじゃねぇよ西田!
もう何度目か分からないため息をつく。


「司どう?良い人いた?」

いるわけないのに、なんで聞いてくるんだか。
それよりも、

「類、お前、何かいい事でもあったのか?」

「んっ?なんで?」

「随分、機嫌が良さそうだな」

「……うん、そうかも。良いかもしれない」

本当に珍しく目に見えて機嫌の良い類に、あきらと総二郎も何だ何だと話に混ざってきた。

「今日は部下と食事って言ってなかったか?それとも女とだったのか?」

「うん。部下は男だけど、その部下の姉もいた」

「は?姉?」

「そう。姉が誕生日だって話を聞いたから、「プティ・ボヌール」で一緒にご飯食べてきた」

「……?なんでそれで姉も一緒に行くことになったんだ?類と食事だって聞いて勝手に付いてきたってことか?」

三人とも意味が分からなくて顔を見合わせ、また類を見れば、何が分からないのか分からないみたいな顔をした。

「違うよ。ほら、部下は司がやってる婚活アプリの発案者なんだよ。いま一緒に仕事してる」

「うん、だからな?なんで姉も?」

「誕生日だから?」

「いや、分かんねぇよ!部下だけなら分かるけど、なんで誕生日だからって姉も一緒なんだよ!シスコンか、類目当てじゃないのか?」

総二郎の言葉に俺もあきらも同意しかない。
話が通じないのはいつものことだが、今回もいまいち話が噛み合わない。

「ほら、アプリの登録者数が伸び悩んでるって話をしただろ?第三者の意見が聞きたいって言って、その部下が姉にアプリを使って結婚相手を探させようとしてるんだ。姉は乗り気じゃなかったけど、「プティ・ボヌール」で食事するのが交換条件だって言うから、良いよって」

「……?やっぱり分かんねぇな?意見が聞きたいのか、結婚相手を探させたいのか。交換条件にしても、類がそこまでしてやることもないだろ」

「両方だよ。第三者の意見が聞きたいのも本当だし、それで相手が見つかれば一石二鳥だろ?身内とはいえ、結婚までいけば実績も出来るし」

「だからって類が部下と勤務時間外に食事に行くだけでも滅多にないんだろ?なのに姉とはいえ、女も一緒にってのが驚きなんだよ」


そうだ。類もそこまで女に興味を持つようなやつではない。
でも類と俺の違いは確実にある。
俺は生理的に受け付けないが、類は単純に自分と関わりのない人間に興味がないだけ。
女を嫌悪しているわけではないから、一度興味を持てば、という話だ。


「面白いんだよね」

「……だから、何が?!」

「その部下が。食べてる時の顔が、面白いんだよ。姉も食べるのが好きだって言うし、姉弟揃ったらどうなるのかなって、……くっ、」

話してる途中で笑い出した類に、また三人で顔を見合わせる。
こんなに笑う類は久しぶりに見た。一度ツボにハマると笑い続けるところはあったが、それも滅多に見ることはない。

「「プティ・ボヌール」は俺の母親が経営してるって言ったら、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をするし、食事中もリスと、ハムスターみたいで、あははは!」


腹を抱えて笑い出した類に、俺ら三人はただ見ているだけしか出来なかった。











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