sei l'unico che può rendermi felice.

花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

10月≪ 11月/123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月
BLOGTOP » Re: notitle » TITLE … Re: notitle 09

Re: notitle 09

Re: notitle 09








進に薦められて始めた婚活アプリ。


進に改善点を見つけたいと、あたしからの条件を呑み、上司を巻き込んでまで頼んできたことに出来ないと断ることは出来ず、真剣に結婚相手を探しているだろう彼らには申し訳ないと思いながら会っていた。


あたしから誰かにイイねをすることはなく、イイねしてくれた人からプロフィールを見て適当に選び、数人にだけイイねを返した。
そこでマッチングしてメッセージをくれた人と何回かやり取りをして、実際に会ったのは4人だけ
他にも約束をして待ち合わせに現れなかった人もいる。
進によれば、遠目に姿を確認して好みでないと分かると、連絡もなしにキャンセルしてブロックするという事例はあると言う。
そういう報告が多い人は注意喚起、改善されない場合は強制退会になる。


一人目はとにかくおしゃべりな人だった。
緊張からなのか性分なのかは分からないけど、こっちが話し始めると被せるように話してくる。
これは、少々疲れる。
間が持たないどころか、間がない。話せないし、話を聞かない。
結婚生活でもこうなるのかと想像すると、ちょっとあたしには辛い。


二人目はカフェで待ち合わせて、会って話もそこそこに違うところへ行こうと連れて行かれたのはホテル街だった。
初回で?!ホテル?!バカじゃないの?!
進に報告案件だわ!


三人目は話しやすい人だった。
人の話をきちんと最後まで聞いてくれるし、話題も豊富で楽しい時間はあっという間に過ぎていき、こういう人ならまた次も会いたいと思うんだろうなと思った。
だけど、次の日にブロックされた。
なんで?!なんかしたかな?!と不安になり、後で進に聞いたら、「複数人とやり取りをしていて、そのうち一人に絞ったのではないか」とのことだった。
なるほど、本命以外とはメッセージのやり取りを止めたということね。


そして今日、四人目の人「ミドウ ジョウ」さんと会う約束をしていた。
約束の時間を少し過ぎて待ち合わせ場所に現れたのは、類稀なるイケメンだった。
花沢さんも相当なイケメンだと思ったけど、この人も王子様感すごい。
でも、会う約束をしていた人のプロフィール写真と違う人だ。

話を聞けば、本人は急な用事で来れなくなったから、近くにいた自分がお詫びに来たと言う。
……メッセージには何の連絡もない。でもアプリ上のニックネームを知っていたから、ミドウさんの知り合いであることは間違いなさそうだけど。
急用なら仕方がないし本人に会えないなら今日はこれで帰ろうと思ったら、代わりに俺と遊ぼうと言う。

これは、ありえなくない?!
友人だと言うのに、婚活アプリを使ってる本人を差し置いて相手の女性を誘わないでしょ、普通。
ミドウさんは、こんな人が友人で大丈夫かななんて心配してしまう。
待っている間に飲んでいたコーヒーも奢ると言われたけど、なぜお詫びに来た人に奢られないといけないのか分からない。

いや、もしかしたらあの写真の人は本当はいなくて、相手探しに必死な女性を食い物にしている悪い奴?
そこに考え至ると、この人の爽やかな笑顔も胡散臭く見えてきた。
あまりに胡散臭すぎて、早く離れたほうが良いと判断、その場を去った。


そして、そのあとミドウさんから送られてきたメッセージ。


『クシマさん、こんにちは。
今日は突然急用ができてしまい、会うことが出来ず申し訳ありませんでした。友人に代わりに行ってもらいましたが、会えましたでしょうか。
今度こそクシマさんに会いたいと思っているのですが、また機会を作っていただけますか?
早ければ次の土曜日の午後はいかがでしょうか。
お返事待ってます。』


う〜ん。やっぱりあの人は本当に友人だった?
そもそもに友人に連絡できるなら、アプリのメッセージでキャンセルを伝えれば済む話で。

今までのメッセージのやり取りでは悪い印象はなかったし、怪しさもなかった。
しかし、代わりに来た友人だという人の印象は良くなかった。

でも急用が本当のことだったら?
友人がどんな人だとしても、本人に会う前に友人の人間性だけで会わないと決めてしまうのは申し訳ない気がする。
それでも類は友を呼ぶと言うし、あまり期待しないでおこう。

……いやいやいや、期待って何よ!
あたしは、あくまでモニター!
ミドウさんには申し訳ないけど、あたしはモニターで、こういうパターンもあったよって進に報告することだから!


メッセージのやり取りで印象が良くても、やはり実際に会って話すと印象がかなり変わる人が多い。
ボイスメッセージとか、通話機能があったら良いのになぁ。
話し方とか声とか少しでも分かると何となく安心出来るというか。

でもやっぱり、こちらにその気がないのに会って交流を深めることに罪悪感が付きまとう。

今のところマッチングして会った人に結婚に対して真剣さを感じる人は現れなかったけど、この先いないとも限らない。
進にも、「プティ・ボヌール」に連れて行ってくれた花沢さんにも申し訳ないけど、これ以上は精神的に無理だ。
本気で向き合ってくれてるのに、あたしは応えられないから。

次の約束で本当にミドウさん本人が来るか分からないけど、会えなかったらそれまで。
それこそ縁がなかっただけ。


『ミドウさん、こんにちは。
今日は会えなくて残念でしたが、友人の方がいらっしゃいまして謝罪がありました。
急用でしたら仕方のないことですし、お気になさらないでください。
土曜日の午後でしたら大丈夫ですので、ぜひお会いしたいです。
どうぞよろしくお願いします。』

よし、送信。

これでアプリを通して誰かに会うのは、最後にする。



これを良い機会だと恋人や結婚相手を探せるほど前向きになれるわけでもなく、むしろ罪悪感を抱えているようでは、まだ恋などしたくないと心のどこかで思っているのだろう。

結婚は、一生のことだと思ってた。
今どき離婚なんて珍しいことでもないかもしれない。
だけど、あたしは離婚ありきではなく、結婚するなら一生をこの人と共にしたいと決めて結婚しようと思っていたから。

お互い思いやり、慈しみ合い、支え合えるような、そんな人がこの先のあたしの人生に現れる日が来るのだろうか。
もちろん「良い人」がいればお付き合いしたり、結婚したいと思うことが出来れば良いのかもしれないけど、あたしの思う「良い人」って、どんな人なんだろう。

それが分からない今のあたしには、結婚なんて無理な気がする。


前の彼氏を超える人が、いないから、だろうか。

どうしても比べてしまう。
話し方も、優しさも、あたしを好きだと言ってくれた言葉と声と、あの笑顔を。

いつまでも未練たらしい。
浮気して、あたしを家政婦扱いした男なのに。
それでも、今になって楽しかった思い出ばかりがよみがえってきて、どうにも切ない気持ちになる。



ミドウさんは無口なほうで、女性と会話をするのも少し苦手だと言っていた。
それがどうして婚活アプリをしているのかは分からないけれど、ミドウさんがどうか結婚にそこまで前向きな人じゃありませんように、なんて自分に都合の良いことを考えながら運命の土曜日を迎えることとなる。










にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

関連記事
スポンサーサイト



*** COMMENT ***

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: ボルドー様

いつもコメントありがとうございます!

大丈夫です。つかつくですので笑
もうすぐ10話目なのに、まだつくしちゃんと司くんが出会っていない異常事態です笑

3回も!
楽しんでいただけているようで、大変嬉しいです〜!更新がんばりますね!

COMMENT投稿

管理人にだけ読んでもらう