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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Re: notitle 36

Re: notitle 36







姉ちゃんを騙す。
これが一番厄介な問題で、姉ちゃんを知ってるやつは皆、あの人を騙そうとするなんて無理だと言うだろう。
特に弟の俺は姉ちゃんに絶対逆らえない。もう無意識レベルで逆らえないように刷り込まれていると言っても過言ではない。


「分かってる。女と話すだけだったら仕事でも出来る。それじゃあ姉ちゃんを騙せないし、何の意味もない。だからクシマが知り合いから始めようって言ってくれたあと、姉ちゃんにはプライベートで女と知り合ったこと、少しずつ女に慣れる練習をしてるから俺を焦らすなって言った。それで……」

「でも司、お前は女と話す以上のことなんて出来ないだろ?慣れるも何も……」

「クシマなら大丈夫なんだ。彼女には、触れる。手も繋げるところまで出来るようになった」

三人が今までに見たことないほど驚いた顔をして俺を見た。
これまで俺が女に対してどれだけ拒絶反応を示していたか知っているだけに、手を繋げるようになっただけでも驚くだろうとは思っていたけど、そんなに目を見開かなくても。


「触れる?お前が、女に?手も繋げるって?」

「ああ、クシマ限定だけどな。もう俺からなら手以外も触れる。だから、そろそろ姉ちゃんに会わせて、それでおしまいにしようと思った。そう、思ってたんだけどな……」

また大きなため息が出てしまう。ソファの背もたれに身を預けて、両手で顔を覆って。

誰かを好きになるというのは、こんなにも人を弱気にさせるのか。

今の俺はどんな顔をしているのだろう。
とんでもなく情けない顔をしているような気がして、そんな姿を本当は誰にも見られたくなくて、それを隠すようにいくら両手で顔を覆っても、きっとこいつらには隠せない。隠してもきっと長年の付き合いというものはそんなもの簡単に見抜いてしまう。
そして、こういう時は多少ふざけた言い方はしても絶対に馬鹿にしたりしないことを分かってるから。

良いことも、悪いことも。こいつらと一緒に過ごした時間は誰よりも長く、信頼は他の誰よりも深い。
それに仕事はともかく、人との、特に女との関わり方は俺よりもよく知ってる。
今の俺が頼れるのはこいつらしかいない。


「そう思ったのに、好きになっちまったか。まぁ、誰かを好きになるってのは理屈じゃねぇよなぁ」

総二郎がポツリと呟く。
こいつにも学生時代に女と何かあったらしい話は耳にした。でも、話そうとしないことは無理に聞き出そうとしたりしないから俺も詳しいことは知らないし、女の話など興味も湧かなかった。

経験者はかく語りき。
『誰かを好きになるのは理屈じゃない』
この言葉は俺を妙に納得させるものがあった。
全く以てして同意せざるを得ない。


「あいつ、類が言ってたみたいに本当に良いやつなんだ。未だに名前も勤め先も何も言わない俺に、何も聞かずに女に慣れるだなんて馬鹿みたいな話に付き合って半年も続けてくれてる……」

「30過ぎて何を中学生みたいな恋愛してんだよ……。いや、今時の中学生のほうがヤることヤッてんじゃねぇの?」

「うるせぇよ!俺だってこんなことになるなんて思ってなかったんだよ!」

「でもさ、そんな難しい話じゃないよね?」

類はキョトンとした顔で俺たちを見回して、そう言った。
それを聞いた総二郎とあきらは納得と言うか何かを汲み取ったような表情になったが、俺にはその言葉の意味が分からなくて、そんな様子の三人を眺めることしか出来ない。

「まぁ普通は難しい話じゃないかもしれねぇけど、司だぞ」

「30過ぎて、やっと初めて女を好きになったぐらいだしな。難易度高くねぇか?」

「おい、何の話だよ!」

俺には難易度が高いとかどうとか、当事者の俺に分かりやすくはっきりとした言い方をしないこいつらにイラッとする。
そんな俺に類はあっけらかんとした口調で話した。

「彼女に好きになってもらえばいいんだよ」

「そうだな、そうなれば何の問題もない」

「まぁ、結婚するしないは本人たちの意志がないとどうにもなんねぇけどな。おばさんと椿姉ちゃんを納得させて彼女と平穏に過ごしたいなら、それが一番良いな」

類の言葉に総二郎もあきらも同意をしてるし、そんなことが出来ることなら俺も同意したいところだが。


「どうやって?」

「そんなの、お前が正体明かせば一発じゃねぇの?なんせ道明寺財閥の後継者、道明寺 司だぜ?それにお前ほどのイケメンなら靡かない女はいないだろ」

総二郎がさも当然かのように言い放つが、残念なことにそんな簡単な話じゃないことは俺が一番よく知っている。
だって彼女は。

「いや、それは俺の強みにはならない。クシマは過去にイケメンに何か嫌な思いをさせられたことがあるらしいし、一度だけ道明寺 司の姿で彼女に会ったことがあるが、何の反応もなかったぞ」

「おい!いつの間に変装しないで会ったんだよ?!」

「ちげーよ!会ったのは偶然だ。今、道明寺財閥と大河原財閥で共同企画の話があってな、向こうの社長と話をするのに大河原財閥の本社まで出向いてやったんだよ。その時にたまたま、エレベーター前で遭遇した」

「へぇ!大河原財閥に勤めてんのか」

「ああ、財閥系企業の総務課で主任やってるって聞いてはいたけどな。まさか大河原財閥だとは思わなかった」


偶然会った時に見た、彼女の私服じゃない仕事中のビジネスカジュアルっぽい服装も可愛かった。
珍しくスカートを履いていて、それが彼女のふんわりと和むような雰囲気にとても似合っていたのを思い出す。

そういえば、彼女が「ミドウ ジョウ」と会う時の服装はいつもパンツスタイルだ。
初めて会った時はスカートだったのに、あれから彼女のスカート姿を見たことがないことに気が付いた。毎回ゆるめの、ふわっとした洋服ばかりで言うならボーイッシュな感じのものが多かったように思う。
アクセサリーも華美なものは一切なく、控えめな小さいものばかりで、付けてこない時もあった。
なぜだろうか。

……もしかして、俺が女が嫌いだと言ったから?
あんまり女を感じさせないような服装にしていたとか?

いや、まさかそこまで気にして?
またグルグルと彼女のことを考えていると、また総二郎とあきらから矢継ぎ早に質問を投げかけられた。


「何、イケメンに嫌な思いをさせられたって何だ?」

「彼女と恋愛話かなんかしたのか?」

「何があったかまでは知らねぇよ。でもイケメンは見るだけなら良いけど、絶対に付き合うとかしたくないって不機嫌になったし、それ以降はそういう話もタブーになってる。
お前らだってクシマに会った時の反応思い出せよ。あきらは無表情で対応された挙句に胡散臭いと思われてる。総二郎は俺の様子を見に店に入ってきた時、彼女はチラ見しただけで二度とお前を見ることはなかっただろ?
俺だって大河原財閥でクシマに会った時は他の女どもが俺を見てぎゃあぎゃあ騒いでるのに、彼女だけはニコリともせずに頭下げて見送られて終わったんだからな」

「あー、そういうことか。俺と会った時も無表情ってことはなかったけど、大抵の女はしつこく連絡先聞いてきたり、強引に次の約束取り付けようとしたりするのにさ、彼女は全くそういうのなかったね。こう、きちんと一線引いてる感じで」


類も彼女と会った時のことを思い出したのか、なるほどと納得したように話していたが、彼女が類に連絡先も聞かなかったということにホッとしている自分がいた。












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