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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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It’s all up to you. 1

It's all up to you. 1




牧野と司が別れたのは、桜が咲き始め、そろそろ満開という頃だった。



まさかの司の浮気。
段々と連絡が取れなくなった司にサプライズでNYへ会いに行ったら、最悪なサプライズをされたのは牧野だった。

帰国日は聞いていたから空港へ迎えに行こうと思ってはいたが、NYに行って次の日の便に乗って帰ってきた。

突然かかってきた電話に出てみれば、羽田にいるから迎えに来て欲しいと言われ、急いで空港へと向かう。
牧野は国際線到着ロビーのベンチに一人、ぼんやりと座っていた。



「牧野!」
司に会いに行ったのに、牧野が笑ってない。

何があった?
慌てて駆け寄れば、牧野は俺の顔を見て静かにポロリと涙を零した。


「類、」



「類、道明寺と、別れた。」


それだけ呟くと、またポロリと涙が零れる。
見ていられなくて思わず抱き締めれば、声も出さずに泣き続け、そしてそのまま眠ってしまった。

空港の到着ロビーで眠ってしまった牧野を抱き上げて車に乗せたは良いが、この状態の牧野を家族と離れて一人で暮らしている部屋に置いていくことなど出来ず、とりあえず自分のマンションに連れて帰った。




牧野を寝室のベッドに寝かせ、別室で司に電話をしてみる。
いつもはどれだけ電話しても繋がらないと総二郎もあきらも言っているのに、今日はすぐに繋がった。


「司、どういうこと?」
『類、悪い。』
「それじゃ分かんない。」
俺が、浮気した。それで別れ話になった。それだけだ。』

司が浮気?それだけ?
牧野にとっては、それだけって話じゃないだろう。

「司、なんで俺に謝るの?牧野には?」
『牧野は、部屋を飛び出してそのまま、』
「追いかけもしなかったってこと?」
あぁ。』

ふーん。司、牧野が許しても、俺は絶対に許さないから。」
『分かってる。』
「分かってない。分かってないから、こういうことになるんだろ。」


そう言って電話を切った。
牧野はそれから2日間眠り続けた。



牧野。



牧野。


あんたは、どうしたい?


俺は、どうしたらいい。








あれから3年。
牧野はよく寝るようになった。
俺よりも、寝る。

ふらりと俺の部屋に来ては、いつの間にか寝ていることが多い。
今日も俺が仕事から帰ってきて玄関を開けてみると、牧野の靴。
また来てるなとリビングに入れば、ソファの背もたれに上半身を預けてウトウトとしていた。



「牧野。」
声をかけると牧野は一瞬開けた目を、すぐに閉じてまた寝てしまった。
仕方なく横抱きにして寝室に運ぶ。

牧野をベッドに降ろして離れようとすると、首にしがみついてくる。
ふぅ、と一つため息をつく。
いつものことだけど、せめてスーツは脱ぎたい。

「牧野、スーツ脱いだらすぐに戻ってくるから。」
そう言うと、あっさりと腕は離された。

スーツとワイシャツを脱いで、肌触りの良い牧野お気に入りのスウェットに着替える。
そして、牧野の隣に潜り込む。

「牧野。」
「るい、」

しっかりと牧野を抱き締めて、眠る。
牧野も俺の体にすがりつくように身を寄せてくる。
もう、これも3年目。

たぶん、眠れなくなると俺のところに来る。特に春になると酷くなるから、そういうことだろう。



牧野。
『あの日』から、もうすぐ3年が経つよ。




牧野と司が別れたのは、あの約束の4年まであと1年だった。
『あの日』から牧野は笑わなくなった。
家族にも、友達にも、俺の前でも。

なにもかも気力がなくなってしまったような牧野は、大学も必要最低限しか来ず、就活すらもしなくなった。


俺は初めて自分から両親に電話をした。
そして、牧野を花沢物産に就職させ、人事総務部の庶務課で働かせた。
それなりに忙しいが、あまり人とは接しない。
昔の牧野らしくない仕事かもしれないが、『あの日』から愛想も素っ気も笑顔もないから、どうしようもない。
それでも仕事を始めれば、きっちりと熟す。
牧野にとって、働くとは性分のようなものなのだろう。

住む場所も、俺が住むマンションの隣の部屋に引っ越しをさせた。
とにかく、牧野を俺の知らないところに一人にさせたくなかった。



花沢物産で専務をしている俺は、出張が多い。短期の海外出張もよくある。
そんな時は牧野が心配になる。
俺がいなければいないで何とかしているようだけど、帰ってくると3日は続けて部屋に来る。
そしてずっと俺の横で寝ている。



牧野。


今年も、もうすぐ春が来るよ。



牧野。


あんたは、どうしたい?







 



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のん様

はじめまして。
コメントありがとうございます!

お褒めいただきまして、ありがとうございます。
もったいない程のお言葉ですが、私は素人の中でも本当のド素人です。
二次小説も初めて書きました。
二次どころか、小説も書くのは初めてです。
ただ、幼い頃から本を読むのは大好きで、今でも時間があれば、いろいろ読んでます。

新しいお話も楽しんでいただけたら嬉しく思います。
更新がんばりますね!

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