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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Call out my name. 9

Call out my name. 9





「逃げるな」


美作さんがあたしを諭すように話すけれど、話したくないのは道明寺じゃなかったのか。

「あきらさん、専務は話なんかしたくないはずだよ。今までだって、話なんてしたことないし……」

「牧野。お前の思い込みで司が話をしたいかどうかを決めるんじゃない。
それに、司に子供のことは言わないとダメだ。
お前らがどうなろうと知ったこっちゃないが、あいつはもう生物学上の父なんだ。それを知らせないのは、違うと思う。あいつにも子どものことに関しては権利がある。それを話もせずに牧野が勝手に全てを決めてしまうのは、酷いことだと思うぞ」

酷い?

「よく考えろ。子どもの父親は道明寺家の長男で、道明寺財閥の後継者だ。
まわりに知られないように、ひっそりと隠れて暮らすことを子どもにも強制するか?そのうち聞かれるぞ、父親は?ってな。
その時に子どもに堂々と話せるか?子どもに父親がいない理由を話せない、後ろめたい気持ちを抱えたまま生活をしながら、育てられるか?
それに、もし産まれた子どもが司に似ていたら?それこそ時間の問題だ。
子どもが大きくなったら、外に出ることを止められなくなる。高校、大学、就職。
いずれは道明寺家の誰かに知られる。いつか司が別の誰かと結婚して、そこに子どもがいたら?否応なく後継者問題や相続問題に巻き込まれるぞ。
それこそ常に、道明寺家や道明寺財閥を気にしながら生活しなくてはならなくなるんだ。
そこまで覚悟して、司に言わずに産んで、育てられるか?」

「分かるか、牧野。もう既にお前一人の問題じゃない。
子どもの話なんだ。子どもの人生の、一人の人としての権利の話だ。
それを牧野一人で決めるのは、父親の司にも、生まれてくる子どもにだって、あまりにも酷い話だ」



頭を殴られたかの様な衝撃だった。

あたしは馬鹿だ。この子がいれば、なんでも頑張れるなんて言いながら。
頑張るのは、あたし一人じゃない。この子をも巻き込む話だ。
一番大切にしたいのに、この子の人生を、苦難に満ちたものにしたくないのに。

尚もあきらさんは話を続ける。

「話したとしても、まずは認知からだ。父親の司に認知してもらうかどうか。それで子どもの戸籍だって変わる。
お前のことだから、司が認知したとしても金のことを問題にするつもりはないだろう。でもそれも、きちんと決めなければならない。認知をすれば、司には養育費を払う義務が発生するからな。
道明寺家とだって、お前は関わりたくないと思うかもしれないが、司は?
認知をすれば司の戸籍にだって、その事実が記載される。司が良いと言ったとしても、それを道明寺家が許すかも分からないし、認知をするにしてもしないにしても、どこまで子どもを道明寺家に関与させるのか。そういうありとあらゆることを書面に残し、話し合うことをしないと後で大変なのは、お前じゃない。子どもだ」

「牧野、わかるか。産むことを一人で決めることは出来ても、一人の人間を育てるっていうのは大変なことなんだ。
ただでさえ子育てっていうのは決断の毎日なんだよ。それが、相手が一般家庭の男ならまだしも、父親の司は道明寺家の長男だ。
ただの日常だけじゃなく、これだけのことがこれから起こるかもしれない。もっと大きな問題だって起こり得る。それを想定しながら育てるんだぞ。
俺たちだって助けられることなら何だってしてやる。それでも、まずは司と牧野が話さないことには、どうにもならないんだ」

「牧野、あんた行政書士の資格もってるんでしょ?」

突然、花沢類が聞いてくるけど、言いたいことはわかる。

「持ってる。だから、認知さえしなければ戸籍には残らないから、もし調べられても父親が誰かなんて分からないと思ったの。
似てるかどうかとか、そんなの考えてなくて…、どこか片田舎にでも行って、のんびりひっそり二人で暮らそうって。バレないように隠れてって……。
でも…、子どもにだって人生を選ぶ権利があって、その選ぶ権利を親が奪っていいことなんて、ないのよね……」

「牧野、司と二人きりで話すのが怖いなら、俺たちも一緒にいる。牧野が不利にならないように、少しでも牧野の意向に沿えるように付いてるから」

花沢類も優しく話し掛けてくれる。
あたしはどこまでも恵まれていることに、今更ながら気付く。
話せば助けてくれる友人がいることの、なんと有り難いことか。


親としての事情を子どもに押し付けて、我慢や何かを強制するようなことはしたくない。
そんなことにも気付かないほど、あたしは自分さえ頑張れば良いと思い込んでいた。

誰にも話さなければそれで済む、自分で、一人で何とかしなければと。
道明寺のお母さんが怖いとか、まわりに迷惑をかけるとか、そんなことばかりで一番大切なことを忘れていたのではないか。
何よりも、自分よりも、守らなければならないのは。


「分かった。ちゃんと、話す」


決めた。
もう、逃げない。
憎まれても、恨まれても、それでいいと思っていたけど。
これは、あたしの感情とは違う問題だ。
間違えてはいけない。

産むと、育てると決めたのはあたしだけど、生きていくのは、この子だ。
この子の為なら、なんだってする。


「牧野、大丈夫だよ。牧野に酷いことをしたかもしれないけど、司だってもう大人だ。ちゃんと冷静になって話せば、分かるはずだよ。
それに、なんの力もない高校生だったあの頃とは違う。この6年で母親にだって立ち向かえる力を付けてきたはずなんだ。司の母ちゃんとの約束が怖いなら、それも司に言うんだ。お前の母親なんだから、お前が何とかしろ!ってね」

花沢類が、優しい顔で、優しい声で話すから。
どこまでも優しい、初恋の人。
泣いている場合じゃないと涙を拭うのに、次から次へと涙があふれる。

「まぁ、司と牧野がよりを戻せば何の問題もないと思うけど」

類ってば!そんな簡単な問題じゃないって話したばかりなのに。
おかしくて、思わず泣きながら笑ってしまう。


そうだ。笑っていたい。
子どもと、ずっと笑って生きていきたい。
あの人を想い泣きながら、道明寺家に怯えて暮らすことは、したくない。


しっかりしろ、牧野つくし!
あたしは、何度踏みつけられたって起き上がれる、雑草のつくしだ!
ここで逃げるような真似をして、子どもに恥じるような生き方をしてはいけない。6年前、道明寺のお母さんに自分で言ったではないか。
人に恥じるような生き方をしていないと。
まだ膨らみもなにもない、お腹に手を当てる。

今は小さな小さなあなたにも、大きくなった時に何の憂いもなく、しっかりと前を向いて歩いて生きてほしい。



「あきらさん、類。あたしは、自分の力でと思ってた。誰の迷惑にもならないようにって。
でも、もし話し合いが上手くいかなくて、道明寺が、道明寺家が何かしてきたら。この子の為に、あなた達の力を貸してください。会社も巻き込むことになるかもしれない。それでも、ここまで巻き込んだあたしが言うことじゃないけど、協力してください。よろしくお願いします!」

「おいおい、あんなに権力を嫌ってたお前も言うようになったな!」

あははと笑いながらあきらさんが答えれば、類も笑って言う。

「牧野、お前と司が出会った時から俺らはもう巻き込まれてるよ。今さらだから、気にすんな」



道明寺と、ちゃんと話し合う。

まずは一歩、ここからだ。













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クラゲ様

こんばんは〜!
いつもコメントありがとうございます!

あきらさんは、高校生の頃から妹の双子ちゃんを見てますからね。妹の懐き方を見ても、多少は子育て知ってるはずと思いまして。
恋愛も不倫ばかりでしたし、もしもを想定してそうじゃないですか笑

司もいつまでもお母さん気にしてますからね。
直接育ててもらってない分、歪んだ感じにはなってますけど笑
確かに根本はマザコンぽいです笑

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