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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Call out my name. 17

Call out my name. 17






ーーーいまの、道明寺はもっと好き。



「……お、前な!クソッ!」


なんだこいつは。6年前の純情で初心な牧野も良かったが、こうも素直な牧野はどうしたら良いのか分からない。
何もなければ今すぐに押し倒して朝まで離してやらない気持ちになるが、今は、ダメだ。

最後も手荒く行為をした記憶がある分、これからも牧野に劣情を抱く事に躊躇いはある。
それに今は何よりも安静にしてないといけない時で、何をおいても大事にしなければならないのは牧野だ。
俺のことなど、どうでもいい。


「……絶対、髪の毛は切るなよ」

声も低く唸るように言えば、「道明寺の為に伸ばしていたから好きにして良い」と笑顔で返される。
あのアパートで後ろから牧野を抱いてる間、背中を伝う髪の毛にも実は欲情していたなど、口が裂けても言えない。
牧野相手だと欲にまみれて、いつもの自分を見失いそうになってしまう。

もう話題を変えようと、あきらと類が話していたことを思い出した。


「滋と三条」

「え?」

キョトンとして俺を見上げる牧野。
かわいい。
本当はこの邸にずっと閉じ込めておきたい。
誰にも渡さない、誰にも見せたくない、俺だけの牧野。
このままだと産まれてくる子どもにまで嫉妬しそうで怖くなる。
何を考えてるんだ俺は!


「……滋と三条に連絡するって、あきらが言ってた。だから早ければ明日あたり来るかもな」

喜ぶかと思ったのに、途端にしょんぼりした様子の牧野。
どうしたのかと聞いてみれば、何てことはなかった。

「もう6年も連絡してなかったし、滋さんも桜子も道明寺のこと好きだったのに、あたしと道明寺の応援してくれてたのを裏切った形になるでしょ?たぶん怒ってるだろうし、会いたくないんじゃないかな……」

「それはない」

むしろ逆だ。
あいつらだって6年前は何も出来なかったと後悔していると聞いた。
みんな牧野に出会って変わった。感謝こそすれ、怒ることなどあり得ない。


「言っただろ、お前の就職には滋も関わってる。俺が有無を言わさず決めたけど、滋が一番しつこかった。牧野と仕事がしたいってな」

「……うん」

それでも不安なのか、笑顔がなくなってしまった牧野。

「とりあえず今日はもう休め。一日で一気に事が進んだから疲れただろ?この部屋の隣を牧野の部屋にさせたから。一応、掃除とベッドメイキングはさせたから風呂と寝るだけなら大丈夫だろ」

「え、一緒に寝てくれないの……?」



俺は6年経つとこうも人間が変わるものかと、まさに今しみじみと実感している。
色恋に疎くて、いちいち恥ずかしがっていた牧野が、一緒に寝てほしいなどと言う日が来るとは。

いや、一緒に寝るくらいなんだ。
それ以上のコトをしていたのだから、この程度で狼狽える俺がおかしいのか。

それでも、そう素直にさせるような何かがあったのかと過去の男がチラつくことに激しく嫉妬しそうになるが、更にしょんぼりしてしまいそうな牧野を見てどうしたものかと考えあぐねる。

「道明寺、一緒に寝てくれるんだよね……?」

再び上目遣いで言われたら答えは一つしかない。


「……分かった。風呂入ったら戻ってこい」



せっかく一緒にいるのだから、なるべく道明寺にくっつていたい。
もう離れることも置いていかれることもないと分かってはいるけれど、こうなって一日も経っていないだけに、まだ不安は残る。

隣の部屋を覗いてみると、シンプルにまとめてはあるものの家具はあたしが量販店で買うような大量生産のものではなく、どことなく高級感が漂っている。
この家具たちにあたしの私物を置くと違和感あるな……なんて考えていた。


その時突然思い出した、大事なもの。
慌てて道明寺の部屋へと戻り、勢い任せに大きな音を立てて扉を開く。

「道明寺!」

「なんだ?!」

道明寺もお風呂に入ろうとしていたのか上半身裸だけど、それどころではない。

「あたしの荷物!これ全部持ってきてるのよね?!」

あたしの荷物がまとめられている所へ小走りで駆け寄る。

「おい、走るな!」

どこに入れたっけ?!
そんなに多くはない荷物だけれど、焦ってしまう。ほとんどの荷物を開けて、残り数個の一つにそれは入っていた。


「あった!良かったぁ〜!」
「なんだ、それ?」
「これは道明寺の……」
「俺の?」
「あっ!」

道明寺が横から手を伸ばしてきたから、止めようとしたけど間に合わず、それを手に取り見られてしまった。

「お前、これは……」

道明寺が驚くのも無理はない。
なんせ段ボール箱一箱分、目一杯に詰まっていたのは、6年分の道明寺の記事をスクラップブックにしたもの。
そのうちの一冊を捲って見ている道明寺。


「……もしかして、これ一箱全部そうか?」

「そうですね……。伊達に6年間ファンやってないんで……」

「すげぇな、これ。よくこんな小さい記事まで集めたな」

「友達にも協力してもらって集めてました……」

これは、辱めの刑だろうか。
土星のネックレスの次に大切にしていたものだったから、なくなってたら困ると慌ててしまったけれど、本人に見られるって結構な拷問じゃない?

「これ、社内報か?」
「そうですね。入社してからバックナンバー教えてもらって、道明寺のところだけプリントアウトしました……」

見られてしまっては隠したところで意味はない。
この機会に言うべきことは言っておこう。

「あの、社内に道明寺専務のファンクラブがありまして……」

「は?」

「専務の出張スケジュールも、あくまで噂としてですけど流れて来るんです。
専務のスケジュール管理って秘書課の管轄で、警備の関係上、社内でも極秘のはずですよね?たぶん、ファンクラブ会員の中に秘書課の方がいらっしゃるかと。
……専務のスケジュール、社内だけとは思いますけど漏れてます……」

「はぁ〜〜~?!そういうことは早く言えって!
あっ!だからお前、俺の海外出張の時を狙って引っ越せたのか!」

「……そういうことですね」

「西田に連絡する。その間にお前は早く風呂に入ってこい!」

「はい……!」


ファンクラブのみんなに心の中で謝罪する。
でも守秘義務違反でコンプライアンス引っかかってるはずだから、ヤバすぎます!
秘書課の誰かさん、ごめんなさい!











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Re: クラゲ様

いつもコメントありがとうございます!

今の司は今までの所業を考えれば、つくしちゃんに何も言えないですからね。
そこに素直になった大人なつくしちゃんをぶち込んだら、こうなりました笑

私もファンクラブあったら絶対加入してますね!
まぁ会員は大勢いますし、誰かしらがこっそり続けると思います笑

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