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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Take a look at me now. 7

Take a look at me now. 7







あれから頻繁に構内で美作さんと西門さんに声をかけられるようになった。

そしてお昼休みには、いつもラウンジのカフェへと連れて行かれる。
花沢類もカフェにいることが多くなったのは、たぶん非常階段は外にあるから夏は暑くて嫌なんだろう。
すると、桜子もお昼休みはここに来るようになり、暇な時は滋さんも来る。

彼は、道明寺司は相変わらずあまり来ることはなく、来てもほとんどあたしとは話さなかった。


桜子以外はみんな年上だから、たまに勉強を教えてくれる。

みんな語学が堪能で、気まぐれにいろんな国の言葉を教えてくれたりもした。
みんなは、あたしの食べるお弁当に興味津々で、いつの間にか全部食べられてしまったこともある。

次第にみんなと過ごすことが当たり前になり始めた、夏休み前。



あたしの前には、高級だろうブランド服で全身をかためたメイクばっちりの女の子が三人。
夏で暑いにしても目のやり場に困るほど露出度高めの服に、女のあたしでも恥ずかしくなってくる。
上も下も下着が見えそうな程だ。
自信がないと出来ない格好だし、自信を持てるだろう豊満な体付きだ。


「あなた、最近F4の方々のところへ無理矢理押しかけて、ご迷惑をおかけになっているとか?」

F4ね、それ最近聞いた。
道明寺司がリーダーで、花沢類、美作あきら、西門総二郎。幼稚舎からの幼馴染み。
花の四人組でF4。
まさに言い得て妙とは、このことだろう。
この四人を見て、初めて天は二物を与えずは嘘だと確信した。

というか、毎日のように振り回されてるのは、あたしじゃなくて?
しかも押しかけてるんじゃなくて、カフェに押し込まれてるのも、あたし。


「ちょっと何の話か分かりかねますけど」

「まぁ!厚顔無恥とはあなたみたいなことを言うのね、きっと!」

「本当に厚かましい!あなたは外部生で、ご存知ないでしょうから教えて差し上げますわ。あのお方たちは、あなたみたいな外部生の、奨学金がないと大学にも通えないような貧乏人が気安くお声をかけられるような存在ではないのよ」

「……友達になるのに、外部生とか、貧乏とか関係あるんですか」

「友達だなんて、よく図々しく言えたものね。それに、恥をかいているのはあなたなのよ?」

「どういうことですか」

「ご存知ない?あなた、金持ちに集る貧乏人って言われてるのを」

なに、それ。

「お心の優しい方たちですから?あなたがあまりにも貧乏だから、可哀想で見てられないのでしょうね。無碍にも出来なくて困ってらっしゃるのよ」


なに言ってるの、この人たち。
この三人は、あの人たちの何を知っているの?


「あなたも、あの方たちのお家柄と財産に目が眩んだのかも知りませんけれど、お近付きになれてラッキーなんて思ってるのかしら?」

「あたしは!あの人たちの「家」と友達なんじゃない!どこの誰だろうと、あたしには関係ないし、そんなもので選んだり作ったりだなんて、そんなの友達じゃない!それに、あの人たちは、そんなこと言わない!」

「親切で言って差し上げてるのに……!いかにもあのお方たちのことを知っている風をして。そこまでしてあの方たちと親しいつもりでいるなんて、本当に貧乏人は卑しくて醜いわね!」


なんで見ず知らずの他人に、どうしてここまで言われないといけないの?!
なんで、どうして……!
こんな奴らの前でなんか泣きたくないのに、悔しくて悔しくて、涙が、出そう。

どう言い返してやろうかと思ったその時、後ろからあたしの名前を呼ぶ声がした。



「牧野」


道明寺司の、声!



「道明寺様……!」

突然、彼が現れて目の前の三人組もびっくりしている。
なぜこんなところに?
ここは図書室の裏で、滅多に人なんて通らないのに。

後ろを振り返れば、彼がいる。
でも振り向けない。


もし、もしこの人たちの言っていることが本当で、あたしの勘違いで本当はあたしのことを貧乏人で可哀想って、思われてたら?
仲良くしてるから、そんな人たちじゃないって分かってる「つもり」だけど、人の気持ちなんて、いつどこで変わるかなんて、分からない。

もし思われてたら、きっと、立ち直れない。



「道明寺様!近頃、この女に纏わりつかれていましたでしょう?この際ですから、この貧乏人に迷惑だとはっきり……ひっ、」

いまの今まで、あんなに強気だったのに急に顔色が悪くなって黙り込む三人。
なに?どうしたの?


「牧野、こっち来い」


いやだ。
こわい。
足が竦んで、動けない。

彼に、拒絶の顔をされてたら……!


「牧野!」

彼が大きい声であたしを呼んだかと思ったら、後ろから包むように肩を抱きしめられて、気付けば彼の胸の中にいた。


「行くぞ」

そう言うと彼はあたしを、ひょいと担ぐように抱きあげて歩き出す。

えっ?!
なに?!彼は何をしているの?
あまりに突然のことにびっくりして、思わず落ちないようにと肩に腕を回してしがみつく。

「あ、あの……!大丈夫なので!降ろしてください!」

「うるせぇ!大丈夫じゃねぇだろ、あんなこと言われて!」

聞いてたの……?
聞いてて、あの場から連れ出してくれたの?
どうして、なんで、


「誰もお前を可哀想だなんて思ってねぇよ。それに牧野はそんな奴じゃないって知ってるから、滋たちも一緒にいるんだろ」

「……うん、」


涙が出そう。
やっぱり彼は、優しい人だ。
またあたしを助けてくれた。


「助けてくれて、ありがとうございます……」

「おう」

ぶっきらぼうな返事に、涙が溢れた。
泣き顔を見られたくなくて、抱き上げられたまま彼の首に腕を回して顔を埋める。


「ごめんなさい……!あなたたちは、お金持ちとか、貧乏とかで誰かを差別するような人じゃないのに……!」

一瞬でも、疑ってしまった自分が、恥ずかしい。
それに、あたしといることで、この人たちをまわりに誤解させているのではないか。



彼が抱き上げたままのあたしを連れてきたのは、図書室だった。

あたしが今まで入ったことのない、奥の方へと進んでいく。
こんな奥まで図書室が続いていることを知らなかった。
そこは初めて見た場所で、あたしがいつも座っているところとは雰囲気が違っていた。他より少し大きめの窓枠から外の光が差し込み、窓から少し離れたところに総革張りのチェスターフィールドの大きなソファが置いてあり、そのソファにそっと降ろされる。


「牧野」

彼の落ち着いた低い声に、少し落ち着きを取り戻す。
途端に泣いてしまったことが恥ずかしくなってきて、見られないように顔を伏せる。


「こっち向け」


そう言うと隣に座る彼女の頬に手を当てて、そのまま顔を正面に向けさせる。
そして頬に当てた手を滑らせて、顔に掛かっていた髪の毛を耳にかける。
その艷やかな黒髪に手を乗せて優しく撫でながら彼女の顔を伺えば、その潤んだ大きな瞳はまるで黒曜石のように輝き、俺を魅了する。

吸い込まれそうだと、思った。


「金持ちとか貧乏とか関係なく、みんな牧野が好きだから一緒にいるんだぞ」

「……はい」

「これからも俺らと一緒にいる限り、ああやって言ってくるやつはいる。それでもお前が嫌だと、離れたいと言うまでは、滋も三条も、類たちだって、お前を拒否したりしない」

「そんなこと、思わないです!でも、あたしのせいでみんなの評判が悪くなっても嫌、です……」


彼女は、本当に綺麗な人だと思う。

自分が侮辱され貶められたのに、それでも俺達のことを気にしている。


金がなくて不自由な生活でも、純粋で真っ直ぐな牧野と、
有り余る金を湯水のように使い何不自由なくやりたいように生きてきたのに、全てが歪んでいる俺。


「牧野、さっきあいつらに言ってただろ。家と友達じゃないって。友達になるのに、どこの誰とか関係ないって」

「そんなの、当たり前です……!」

「俺らの周りに、その当たり前はない。建前でもそんなことを言ってくれたのは牧野が初めてだ。特に俺はまわりから怖がられてるしな」

「建前じゃないし、あなたは怖くなんかない!あたしは、あなたが優しい人だって知ってる!」


俺が優しい?
それこそ、そんなこと言われたこともない。
なんだ?彼女は、俺と誰かを勘違いしてないか?


「……俺が、優しい?」

「そうです!だって、二回もあたしを助けてくれた……!」


二回も?
今回が二回目だとして、一回目があったと言うことか。
そもそもに俺が、誰かを助けたことがあったか?

そういえば初めてカフェで会った時、彼女のこの瞳をどこかで見たような気がしたと思った。

以前、どこかで、彼女に会っている?


「あの、ずっとお礼を言いたかったんです。あの時も、今日も、助けてくれてありがとうございました……!」



やっとお礼が言えた。
優しい目をした、この人に。

彼は何を言われているのか分からないと、そう思っているだろう。
なにせもう、あれから数年経っているから、忘れられてても仕方ない。
自己満足だけど、それでもお礼が言いたかった。
やっとお礼を言えたことが嬉しくて、自然と笑みが溢れる。
すると彼は突然顔を逸してしまった。

しまった。
馴れ馴れしくし過ぎた?
さっきも涙を抑えきれなくて、彼にしがみついてしまった。いくら彼が一緒にいていいと言ってくれても、あれは彼なりの気遣いだったのかも。
女性に触れられるのは嫌がると聞いていたのに。

「あの、ごめんなさい。不愉快にさせるつもりはなくて、助けてもらったからって馴れ馴れしく話しかけたりしませんし、近付いたりもしませんから……!」

慌てて立ち上がって頭を下げる。

「本当にありがとうございました……!」


これ以上、彼に不愉快な思いをさせないようにしたい。

好きな人には、嫌われたくない。












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