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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Take a look at me now. 8

Take a look at me now. 8


 



俺が不愉快に?
それに馴れ馴れしく話しかけません、近付きませんって何だ?
彼女は本当に俺の言ったことを理解したのか?

なんだ?なにが彼女にそう思わせた?



牧野と類の親密そうな雰囲気を見るのが嫌で、最近は大学に来ても講義以外の時間は図書室に籠っていることが多かった。
いつものソファで考え事をしていると、いつもは静かな外に人の気配がして窓から覗いてみれば、牧野と見知らぬ女が三人。
牧野の友達とは思えないような下品な格好をした女たち。
それに、どう見ても良い雰囲気ではない。

仕方ないと、図書室脇の裏口から表に出る。
それでもしばらく様子を伺えば、牧野が囲まれている原因は俺たちだった。


三人組の言葉は、牧野に出会うまで俺も思っていたことだ。
だから牧野、謝ることはない。

貧乏人はみんな、金持ちに集る乞食みたいなもんだと思っていた。
媚びへつらい、愛想を振り撒き、そして何かを強請る。

俺達は、そういう環境と価値観の中で育ってきた。
金があれば何でも出来る。
物も、人すらも買おうと思えば買える。欲しい物は何でも手に入れられるのが金持ちだ。
そうやって育ってきたことを疑問に思うことすらなかった。


それを覆したのは牧野だ。
欲しくても、手に入らないものがある。

純粋で、真っ直ぐで、綺麗で、眩しい。

こんな人間がいるなんて知らなかった。
まさか自分の過去を後悔する日が来るとも、思っていなかった。

誰もが俺ではなく道明寺財閥を見ているのに、牧野だけは違うと思える。

『家は関係ない。そんなもので選ばない』

そんなもの。
きっと彼女にとっては、あの道明寺財閥すらも「そんなもの」扱いなのだ。


こんな女、惚れるしかないだろ。


このまま連れ去ってしまいたい。
彼女を抱き上げたまま、そんな馬鹿なことを考える。


貧乏人と言われて泣いているのかと思ったら、彼女は自分のことで泣いているのではなかった。

牧野、お前と出会う前はみんな、そうだった。
牧野、そんなことで泣くな。お前は何も悪くない。
牧野、俺らはみんなお前の味方だから。


牧野がいなければ、俺は色々なことに何にも気付かない、いつまでも馬鹿で愚かな男のままだった。

そんな俺を、牧野は優しい人だと言った。
そして、初めて俺だけの笑顔を見せた。


俺は、牧野が好きだ。
ずっと、側で笑っていてほしい。

でもその笑顔を見て、思わず告げそうになってしまう想いを前に口を閉ざす。
まだ、その時ではない。




さっきまでのやり取りを思い返しながらグルグルと考えていたら、いつの間にか彼女はいなくなっていた。

大きなため息が出る。

幸い、これから夏休みだ。
大学生になってから少しずつ仕事にも関わるようになってきた。日本にいる今のうちに、出来る限りのことをしておかないといけない。
来年はNYの大学へ編入予定だ。
こんなところでため息を吐いている場合でもない。


牧野に正面から向き合う為にも、その一歩を踏み出す時が来た。






夏休み。
毎日のように猛暑日が続いて茹だるような暑さの中、ニュースでも熱中症への注意喚起をアナウンサーが連呼し、外へ出れば少し歩くだけでも汗が吹き出すような日だった。


アルバイトへ行く途中、少しでも涼しい場所を歩こうと公園を横切って行くことにした。
大きな木が日射しを遮り、ほんの少しばかり風も涼しい気がする。
ハンドタオルを片手に吹き出す汗を拭きながら歩いていると、木陰にあるベンチから立ち上がろうとしているスーツを着た女性が目に入った。
あの人も暑いから休憩してたのかな、なんて見ていたら、その人は急に体をグラつかせ、ベンチへと倒れ込んだ。
咄嗟に走り出し、その人へと近寄る。
ベンチに倒れ込んだその人は顔色も悪く、なのに汗が滝のように顔から首へと流れていた。

これは、熱中症?

「大丈夫ですか?!」

声をかければ弱々しいものの、大丈夫と返事があったが、とても大丈夫そうには見えない。
ベンチに横になるよう手助けをし、周りを見回す。

「ちょっと待っててください!」

近くの自販機へ駆け寄り、スポーツドリンクと水のペットボトルを何本か買う。
いつもは自販機でなんか買わないけれど、そんなことを言っている場合ではない。
次は水道。
バイト中に使おうと思っていたハンカチを公園に設置されている水飲み場で濡らし、急いでベンチに戻れば、その女性は息苦しそうに横たわったままだった。

「まずはこれ飲んでくださいね」

スポーツドリンクのペットボトルを目の前でカチカチと音を立てて蓋を開ける。
そして飲みやすいよう体を支えて起こし、数口含んだのを確認してからスーツの上着を脱がし、またベンチに横たわらせる。
冷えた水のペットボトルを両脇に差し込み、濡れたハンカチを首筋へと当てる。

「救急車呼びます」

そう言ったあたしに、その女性は救急車ではなく、ここに電話をしてくれと呼び出し画面になっているスマホを渡された。
渡されたと同時に通話になり、咄嗟にスマホを耳に当てる。
今の状況を話すと、この電話の相手はすぐ近くにいるから迎えに行くと言う。
詳しい場所を伝え、通話を切った。

スマホを返しつつ女性の様子を見てみれば、先程よりは顔色も少し良くなり、汗も引いたように感じる。
迎えに来るという人を待つ間、少しでも涼しくなるようにと持っていたノートで仰ぐ。

すると、10分もしないうちに近付く人の気配がした。
そちらを見てみれば、この暑い中その人もスーツをかっちり着ていて、眼鏡をかけた真面目を絵に書いたような人相の男性だった。


「お迎えにあがりました」

男性が声をかけると、ベンチに横になっていた女性は少しふらついたものの、立ち上がることが出来るまでに回復していた。
迎えに来た男性に見つけた時の症状を伝える。

女性は脱いだスーツの上着を再び着ることなく腕にかけていたが、よく見てみれば、とても上品そうな女性で綺麗な顔をしていた。どこかで見たような目をしていると思ったけれど、ふと、あることに気が付いた。


時間!
もうアルバイトの時間に間に合わないかも!
慌てて水のペットボトルを回収し、立ち去ろうとしたら男性にお礼をと言われたけれど、そんな暇ない!

「お礼をされるようなことはしてませんので!急いでいるので失礼します!」

あたしは頭をペコリと下げて、急いでバイト先へと向かった。



結局バイトは遅刻してしまったけれど、あのまま見過ごすことなど出来なかった。
あのあと、ちゃんと病院行ったかな?大丈夫だったかな?と気になるけれど、もう会うこともないだろうし、付き添いの人もいるから大丈夫だろうと気持ちを切り替えて仕事に励んだ。









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