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花より男子の二 次 小 説。つかつくメインのオールCPです。

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Take a look at me now. 9

Take a look at me now. 9






夏休みも長いようで、あっという間に終わってしまった。


夏休み中は夏期集中講義に出てレポートを書いたり、たまにボランティア活動をしたり。
あとはほとんどアルバイトをしていたけれど、滋さんや桜子、美作さんたちが一緒にとプールや別荘、海にも連れて行ってくれた。
お金がないからと断ることもあった。
それでもたまに彼らは強引なことも多々あったが、みんなが連れて行ってくれる所は初めて訪れる場所ばかりで楽しかったし、なるべくあたしの無理のない範囲で留めようとしてくれた。

なぜか道明寺司は一緒に来ることがほとんどなくて、なぜ来ないのか西門さんたちに聞いてみると、彼は大学一年生の頃から少しずつ仕事を始めているらしく、長期休暇で時間の取れる夏休みは特に忙しいのだろうと言う。
やっぱり世界規模の財閥の後継者は、学生だとしてもそれなりにやることがあるのだと、こんなところでも住む世界の違いを実感せざるを得なくて、ちょっぴり淋しいような、悲しいような気持ちになった。



それから季節はもう秋に近付いていて、朝晩には少し肌寒さを感じるようになっていた。

図書室裏で助けてもらった一件から、彼はたまに話しかけてくれるようになった。
初めは挨拶だけだったり、天気の話だったり。
たまにあたしがレポートを書いていると、分かりやすい構成や読みやすい文章の書き方をさりげなく教えてくれたり。
まわりにみんながいる時はあまり話しかけてこないのに、図書室に二人きりでいる時は自然と話すことが増えた。


彼はあたしを「牧野」と呼んでくれるけど、あたしは何て呼んだら良いのか分からずにいたら、みんなと同じように呼び捨てて良いと言われた。
流石に、いきなり「司」っていうのは違うだろうなと思って「道明寺?」と呼んだら、一瞬びっくりしたような顔をしたけど、そのあと笑顔で「おう」と返事をしてくれた。

あの笑顔は反則だってば!
あんな笑顔、みんなといる時だって見たことない!
女性を近寄らせないと聞いていたのに、最近はなんだか距離が近くなった気がする。
とにかく彼と話せることが嬉しくて、図書室に通うのが密かな楽しみになっていた。




そしていつものように大学とアルバイトの毎日を過ごしていた、そんなある日。

進路指導課から呼び出され、相談室へ行くよう言われた。
特待生のことか、奨学金のことだろうかと少し緊張しながらノックをして扉を開くと、室内には面談用に置いてあるテーブルとパイプ椅子。

そこにいたのは担当者ではなく、見たことのあるような二人がいた。


「あの……?」

「牧野つくしさんですね?」

座っている人の斜め後ろに立っていた、この眼鏡をかけた真面目を絵に書いたような……あ!

「公園の!」

「そうです。その節は大変お世話になりました」

「いえいえ!その後はお加減いかがでしたか?大丈夫でしたか?」

椅子に座っているのは、夏休み中に公園のベンチで具合が悪そうだった人だ。
今日もあの時と同じようにスーツをきっちり着た女性に声をかける。

「あの後、大事には至らなかったわ。処置が遅ければ入院の可能性もあったそうだから、あなたのおかげね。お礼を言うわ」

そう言うと、その女性は小さく頭を下げた。

「そんな!改めてお礼をしていただくほどのことではないですから。それにしても、よくあたしが英徳大学の学生だと分かりましたね」

眼鏡の人に促されて、女性と向き合って椅子に座る。
あの時は特に名乗りもしなかったし、アルバイトの時間が迫っていたから、挨拶もそこそこにお別れしたはず。

「これを」

眼鏡をかけた男の人がテーブルに出したのは、一冊のノート。

「あっ」

なくしてしまったと思っていたノート。
同じ講義を取っている知り合いがいなくて、少し困っていた。
そういえばあの時、少しでも涼しいようにとノートで仰いでたんだっけ。

「あなた、あの教授の講義を取っているのね。よく纏められているわ」

「これ、探してたんです。ありがとうございます!これがないとレポート進めにくくて困ってたんです。本当にありがとうございます!」

本当に嬉しくて何度も頭を下げる。

「あの教授の授業は少し難儀ではなくて?」

「そうですね、でも聞けば答えてくれますし、とことん議論を尽してくださる先生です。授業もとても面白いです」

そうか、ノートに書いてある名前と内容で分かったんだ。

「この教授とお知り合いですか?」

「いえ、でもこの大学とは懇意にしていますので」

眼鏡をかけた人が答える。
懇意にしている?大学と?どういうことだろうかと考えていると、女性がまた話を始めた。

「あなたのことを少し調べさせてもらったわ。あなたは今、特待生として授業料が免除されているわね。それでも、他の教科書代、教材購入費、施設整備費、海外留学がしたいなら更にかかるわ。成績をキープしながら今のアルバイトだけで、これらを賄えるかしら?」

「それは……、」

確かに行きたくても海外留学までは無理だ。
教科書や教材も花沢類たちが使わなくなったものを譲ってくれているけど、それも限界がある。
ましてや、あたしは家族の生活費も多少は負担している。

というか、調べたって何?
特待生のことはもちろん、今のアルバイトでと言うからには、あたしのバイト先も知っていそうな話し方に首を捻りつつ、個人情報とはなんぞやと考えてしまう。
女性は尚も話を続ける。


「企業が行う給付型奨学金をご存知?」

「聞いたことはありますが、そこまでは」

「これは、あなたの才能を見込んでのお話よ。給付型奨学金制度だけれど、道明寺財閥でもその制度を取り入れているわ。ただ、奨学金を出す代わりに、我が社に就職をして三年以上勤続することを条件としているの」

「道明寺財閥……?あの、我が社って、」

「ああ、ごめんなさいね。自己紹介がまだだったわ。私は道明寺財閥会長の道明寺楓と申します」

そう言うと眼鏡の人が名刺を渡してきた。
その名刺を手に取り見てみれば、道明寺財閥会長の、道明寺楓……?
道明寺って。

「えっ?!もしかして道明寺のお母様ですか?!」

「司をご存知よね?牧野さんとは随分仲が良いと聞いているわ」

まさか、あの時助けた人が彼のお母さん?!
あまりの偶然にびっくりしてしまう。


「あの、道明寺、先輩にはいつもお世話になっています。でも、仲が良いと言うほどではないです。会えば世間話をする程度ですけど……」

道明寺のお母さんは、その言葉にクスッと笑った。

「あの子が女性と世間話が出来るなんて知らなかったわ」


なにそれ。
確かに女の人には興味ないって言うけど、彼だって女の子と話すぐらいはするでしょ。
……いや、滋さんと桜子とあたしくらい?
大学にいる時の彼しか知らないけど、他の女の子と話をしてるの見たことあったかな?



「とにかく。奨学金の件は考えておいてちょうだい。あなたはまだ一年生だけれど、早ければ来年からインターンシップに来てみるのも良いと思うわ。西田」

「はい。牧野さん、こちらの名刺を。もしこのお話に興味が出ましたら、ぜひご連絡を。直接、私に繋がる番号です」


そう言って名刺を渡され、あっという間に二人は部屋を出て行ってしまった。













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